リフォームをすると所得税の控除を受けられる場合があることをご存じでしょうか。リフォームに関する所得税の控除制度は大きく分けて「リフォーム促進税制(投資型減税)」と「住宅ローン減税」の2種類があります。
どちらも所得税が安くなる制度ですが、対象となる工事やローンの有無、控除額の計算方法が異なります。自分のリフォーム計画に合った制度を選ぶことで、税金の負担を効率的に減らすことができます。
この記事では、リフォームで使える所得税控除の種類を比較し、どちらを選べばお得なのか、わかりやすく解説します。

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リフォームの所得税控除は2種類ある
リフォームで利用できる所得税の控除制度は以下の2つです。
| 制度名 | 通称 | ローンの要否 | 控除の仕組み |
|---|---|---|---|
| リフォーム促進税制 | 投資型減税 | 不要(現金でもOK) | 対象工事費用の10%を1回限りで控除 |
| 住宅ローン減税(増改築) | ローン型減税 | 10年以上のローン必要 | 年末ローン残高の0.7%を10年間控除 |
この2つは原則として併用できません(耐震改修工事のみ例外として併用可能)。そのため、自分に有利な方を1つ選ぶ必要があります。
リフォーム促進税制(投資型減税)の詳細
リフォーム促進税制は、ローンの有無に関係なく利用できる所得税控除制度です。現金でリフォームした場合でも使えるのが大きな特徴です。適用期間は2026年1月1日〜2028年12月31日までとされています。
対象となる6種類の工事
| 工事の種類 | 控除限度額(工事費上限) | 最大控除額 |
|---|---|---|
| 耐震改修 | 250万円 | 25万円 |
| バリアフリー改修 | 200万円 | 20万円 |
| 省エネ改修 | 250万円(太陽光発電設備込みの場合350万円) | 25万円(35万円) |
| 三世代同居対応改修 | 250万円 | 25万円 |
| 長期優良住宅化改修 | 250万円(耐震+省エネの場合500万円) | 25万円(50万円) |
| 子育て対応改修 | 250万円 | 25万円 |
控除額は対象工事費用の10%(1回限り)で、控除限度額は工事の種類によって異なります。例えば省エネ改修で200万円の工事をした場合、控除額は20万円です。なお、必須工事とあわせて合計最大1,000万円まで対象となり、最大60〜80万円の控除が受けられるケースもあります。
主な適用条件
- 自分が所有し居住する住宅であること
- リフォーム後の床面積が50平方メートル以上であること
- 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること
- 各工事の対象要件を満たす工事であること
- 工事費用が一定額以上であること(工事ごとに基準が異なる)
条件を満たしているかは、契約書や工事証明書を照らし合わせながら確認していくことになります。関連書類を1か所にまとめておくと、申告の時期に慌てずに済みます。

住宅ローン減税(増改築)の詳細
住宅ローン減税は、リフォーム費用を10年以上のローンで支払った場合に使える控除制度です。年末のローン残高の0.7%が10年間にわたって控除されます。
控除額の計算
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 控除率 | 年末ローン残高の0.7% |
| 控除期間 | 10年間 |
| 借入限度額 | 2,000万円 |
| 年間最大控除額 | 14万円 |
| 10年間最大控除額 | 140万円 |
主な適用条件
- 自分が所有し居住する住宅であること
- 金融機関等のローン返済期間が10年以上であること
- 工事費用が100万円以上であること
- リフォーム後の床面積が40平方メートル以上であること
- 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること
- 増改築等工事証明書で工事を証明できること
対象工事の範囲
住宅ローン減税は投資型減税に比べて対象工事の範囲が広いのが特徴です。建築基準法に規定する増改築や大規模修繕、模様替えなどが含まれ、耐震・省エネ・バリアフリー以外のリフォームでも利用できる可能性があります。
投資型減税 vs ローン型減税:どちらがお得?
ケース別にどちらの制度が有利かを比較してみましょう。
ケース1:現金でリフォームする場合
ローンを組まない場合はリフォーム促進税制(投資型減税)一択です。住宅ローン減税は利用できません。
ケース2:少額(200万円程度)のローンを組む場合
200万円のローンで住宅ローン減税を利用した場合、年間の控除額は約1万円程度。10年間で約10万円です。一方、投資型減税なら対象工事の場合は1回で最大20万円の控除が受けられます。この場合は投資型減税のほうが有利になりやすいです。
ケース3:高額(500万円以上)のローンを組む場合
500万円以上のローンで返済期間が長い場合は、住宅ローン減税のほうが10年間の合計控除額が大きくなる傾向があります。特にローン残高が長期間にわたって大きく残る場合はローン型減税が有利です。
ケース4:対象工事以外のリフォームをする場合
投資型減税は耐震・バリアフリー・省エネ等の6種類に限られます。それ以外の一般的なリフォーム(間取り変更や内装工事など)でローンを組む場合は、住宅ローン減税しか選択肢がないケースもあります。

確定申告の共通事項
どちらの制度を利用する場合でも、初年度は確定申告が必要です。
共通して必要な書類
- 確定申告書
- 増改築等工事証明書
- 登記事項証明書
- 工事請負契約書の写し
- 住民票の写し
住宅ローン減税の場合に追加で必要な書類
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 金融機関の年末残高等証明書
確定申告自体が初めてという方は、書き方を手順ごとに追える解説書を1冊用意しておくと、申告書の記入で迷いにくくなります。
増改築等工事証明書は、建築士事務所に所属する建築士や指定確認検査機関に発行してもらいます。発行手数料が数万円かかるため、事前に費用を確認しておきましょう。
固定資産税の減額制度も忘れずに
所得税の控除とは別に、リフォームの種類によっては固定資産税の減額制度も併用できます。
| 対象工事 | 減額割合 | 期間 |
|---|---|---|
| 耐震改修 | 固定資産税の1/2 | 1年度分 |
| バリアフリー改修 | 固定資産税の1/3 | 1年度分 |
| 省エネ改修 | 固定資産税の1/3 | 1年度分 |
| 長期優良住宅化改修 | 固定資産税の2/3 | 1年度分 |
固定資産税の減額は所得税の控除とは別枠のため、条件を満たせば両方の恩恵を受けることが可能です。工事完了後3か月以内に市区町村に申告する必要があります。
例えば、省エネ改修を行って投資型減税で所得税控除(最大25万円)を受けつつ、固定資産税の1/3減額(年間数万円の節税)も利用するといった組み合わせが可能です。リフォーム計画の段階で、使える制度を洗い出しておくのが賢い方法です。
減税制度を活用する際の実務的なアドバイス
リフォームの減税制度を活用するために、実務面で押さえておきたいポイントをまとめました。
リフォーム会社に減税対応を確認する
見積もりを依頼する段階で、リフォーム会社に「所得税の控除制度に対応できますか?」と聞いておくのが大切です。増改築等工事証明書の発行に対応している業者であれば、手続きがスムーズに進みます。
工事前に「どの制度を使うか」を決めておく
投資型減税と住宅ローン減税は原則として併用できないため、どちらを利用するかを工事前に決めておくことが重要です。ローンを組むかどうかで自動的に選択肢が絞られる場合もありますが、両方が使える状況であれば控除額のシミュレーションをしてから決めましょう。
工事証明書の発行は早めに依頼する
増改築等工事証明書の発行には通常2週間〜1か月程度かかります。確定申告の直前に依頼すると間に合わない可能性があるため、工事完了後すぐに発行を依頼しておくのがベストです。発行手数料は数万円程度が一般的です。
税理士への相談も検討する
リフォームの規模が大きい場合や、補助金・減税制度を複数組み合わせて使いたい場合は、税理士に相談するのも有効です。初回相談無料の税理士事務所も多いため、気軽に問い合わせてみてください。特にリフォーム費用が数百万円を超えるケースでは、専門家のアドバイスを受けることで見落としを防げます。
よくある質問(Q&A)
Q. 投資型減税と住宅ローン減税は本当に併用できないのですか?
A. 原則として同じ年に両方を利用することはできません。ただし、耐震改修工事に限っては投資型減税と住宅ローン減税の併用が認められています。
Q. 複数の工事を同時にした場合は?
A. 投資型減税の場合、対象となる複数の工事(例:省エネ+バリアフリー)を同時に行えば、それぞれの控除限度額を合算できます。
Q. 補助金を受けた部分は控除対象になりますか?
A. いいえ、補助金を受けた分は工事費用から差し引いて控除額を計算します。
Q. 会社員でも確定申告が必要ですか?
A. 初年度は確定申告が必要です。住宅ローン減税の場合、2年目以降は年末調整で手続きできます。投資型減税は1回限りの控除なので、確定申告も1回だけです。
まとめ
リフォームで使える所得税控除は「リフォーム促進税制(投資型減税)」と「住宅ローン減税」の2種類があります。
現金でリフォームするなら投資型減税、10年以上のローンを組むなら住宅ローン減税を選ぶのが基本的な考え方です。工事費用が大きい場合は住宅ローン減税のほうが控除総額は大きくなりやすいですが、工事の種類やローンの条件によっても変わります。
さらに、固定資産税の減額制度は所得税の控除とは別枠で利用できるため、条件を満たせば両方の恩恵を受けることが可能です。リフォーム計画の段階で減税制度を総合的に検討し、漏れなく活用することをおすすめします。
どちらが有利かは個別の状況によって異なるため、リフォーム会社に見積もりを依頼する際に減税制度についても相談してみてください。また、国土交通省のリフォーム減税制度ページやリフォームガイドの減税解説も参考になります。



