住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は新築住宅の購入時に使う制度というイメージが強いですが、実はリフォーム(増改築)でも適用できることをご存じでしょうか。
リフォーム費用をローンで支払った場合、一定の条件を満たせば所得税の控除を受けることが可能です。控除期間は10年間で、年末のローン残高に応じた金額が所得税から差し引かれます。
この記事では、リフォームにおける住宅ローン控除の適用条件や控除額の計算方法、確定申告の手順まで詳しく解説します。

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住宅ローン控除の基本的な仕組み
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅の取得やリフォームを行った場合に、年末のローン残高の0.7%が所得税から控除される制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 控除率 | 年末ローン残高の0.7% |
| 控除期間 | 10年間(リフォームの場合) |
| 借入限度額 | 最大2,000万円(リフォームの場合) |
| 最大控除額 | 年間14万円(10年間で最大140万円) |
| 控除先 | 所得税(控除しきれない分は住民税から一部控除) |
所得税で控除しきれない場合は、翌年度の住民税からも一部控除されます(上限あり)。
リフォームで住宅ローン控除を受けるための適用条件
リフォームで住宅ローン控除の適用を受けるには、以下のすべての条件を満たす必要があります。
- 自分が所有し、居住する住宅であること
- リフォーム完了後6か月以内に居住開始していること
- 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること
- リフォーム後の床面積が40平方メートル以上であること(合計所得1,000万円以下の場合。1,000万円超の場合は50平方メートル以上)
- 床面積の1/2以上が居住用であること
- 金融機関等のローン返済期間が10年以上であること
- 工事費用が100万円以上であること
- 工事費用の1/2以上が居住部分に対する費用であること
- 増改築等工事証明書で工事内容を証明できること
対象となるリフォーム工事
住宅ローン控除の対象となるリフォーム工事は、建築基準法に規定する「増改築等」に該当する工事です。具体的には以下のようなものが含まれます。
- 増築・改築・大規模な修繕や模様替え
- マンションの場合、専有部分の床・壁・階段または間仕切り壁の過半にわたる修繕・模様替え
- 耐震改修工事
- バリアフリー改修工事
- 省エネ改修工事
- 一定の多世帯同居改修工事
単なる壁紙の張替えや設備機器の交換のみでは対象にならないケースがあります。工事内容が該当するかどうかは、建築士やリフォーム会社に確認してください。

控除額のシミュレーション
実際にどのくらい控除を受けられるのか、具体例で計算してみましょう。
例:リフォーム費用500万円をローンで支払った場合
| 年数 | 年末ローン残高(目安) | 控除額(0.7%) |
|---|---|---|
| 1年目 | 約480万円 | 約3.4万円 |
| 3年目 | 約430万円 | 約3.0万円 |
| 5年目 | 約370万円 | 約2.6万円 |
| 10年目 | 約200万円 | 約1.4万円 |
この例の場合、10年間の合計控除額は約25万円前後になります。実際の控除額はローンの金利や返済方法によって変わります。
なお、控除額が所得税額を上回る場合は、翌年度の住民税からも控除されます(上限は所得税の課税総所得金額等の5%、最大97,500円)。
確定申告の方法
住宅ローン控除を受けるには、初年度は確定申告が必要です。会社員の場合、2年目以降は年末調整で手続きできます。
確定申告に必要な書類
- 確定申告書
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 金融機関の年末残高等証明書
- 増改築等工事証明書
- 登記事項証明書(建物)
- 請負契約書の写し
- 住民票の写し
申告の手順
- リフォーム工事の完了後、増改築等工事証明書を建築士や指定確認検査機関に発行してもらう
- ローンの年末残高等証明書を金融機関から受け取る
- 翌年の確定申告期間(2月16日〜3月15日)に確定申告を行う
- e-Taxを使えばオンラインでの申告も可能
- 増改築等工事証明書の発行には費用がかかります(数万円程度)
- 初年度に確定申告を忘れると、その年の控除が受けられなくなります
- 住宅ローン控除とリフォーム促進税制(投資型減税)は原則として併用できません(耐震改修を除く)
住宅ローン控除とリフォーム促進税制の違い
リフォームの減税制度には、住宅ローン控除のほかに「リフォーム促進税制(投資型減税)」があります。どちらを選ぶべきか迷う方のために、違いをまとめました。
| 項目 | 住宅ローン控除 | リフォーム促進税制 |
|---|---|---|
| ローンの要件 | 10年以上のローンが必要 | ローン不要(現金でもOK) |
| 控除率 | 年末残高の0.7% | 工事費用の10%(1回限り) |
| 控除期間 | 10年間 | 1年間 |
| 最大控除額 | 最大140万円(10年合計) | 最大25万円 |
| 対象工事 | 増改築全般 | 耐震・省エネ・バリアフリー等6種類 |
工事費用が大きく、ローンの返済期間が10年以上の場合は住宅ローン控除のほうが控除総額は大きくなりやすいです。一方、現金でリフォームする場合はリフォーム促進税制しか利用できません。

住宅ローン控除の申請でよくある失敗
住宅ローン控除の申請で、多くの方が見落としがちなポイントを紹介します。
増改築等工事証明書の取得忘れ
増改築等工事証明書は確定申告に必須の書類ですが、工事完了後に取得を忘れてしまうケースがあります。この証明書は建築士事務所に所属する建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関などに発行を依頼する必要があります。発行には時間がかかることもあるため、工事完了直後に手配しておきましょう。
初年度の確定申告を忘れる
会社員の場合、普段は年末調整だけで済むため確定申告に慣れていない方も多いでしょう。住宅ローン控除は初年度に確定申告をしないと控除を受けられません。リフォームが完了した翌年の2月16日〜3月15日の間に忘れず申告してください。
ローンの返済期間が10年未満になるケース
繰り上げ返済を行った結果、返済期間が10年未満になってしまうと住宅ローン控除の適用要件を満たさなくなります。繰り上げ返済を検討する際は、返済期間が10年以上を維持できるか確認しましょう。
工事費用100万円の基準
住宅ローン控除の適用には工事費用が100万円以上であることが条件です。この金額には消費税を含めた総額で判定されます。ギリギリの金額の場合は注意してください。
リフォームローンの種類と選び方
住宅ローン控除を受けるためには返済期間10年以上のローンが必要ですが、リフォームで利用できるローンにはいくつかの種類があります。
| ローンの種類 | 特徴 | 金利の目安 |
|---|---|---|
| 有担保型リフォームローン | 住宅を担保にする。低金利・長期借入が可能 | 年1%〜3%程度 |
| 無担保型リフォームローン | 担保不要で手軽。借入額・期間に制限あり | 年2%〜5%程度 |
| 住宅ローンの借り換え | 既存の住宅ローンにリフォーム費用を上乗せ | 年0.5%〜2%程度 |
住宅ローン控除を受けたい場合は、返済期間が10年以上のローンを選ぶ必要があります。無担保型のリフォームローンは返済期間が10年未満のプランが多いため、事前に返済期間の設定を確認してください。金利については各金融機関で大きく異なるため、詳しくは取扱金融機関の公式サイトでご確認ください。
よくある質問(Q&A)
Q. リフォームローンでも控除は受けられますか?
A. はい、金融機関のリフォームローンで返済期間が10年以上であれば対象です。ただし、勤務先からの借入で金利が0.2%未満の場合や親族からの借入は対象外です。
Q. 中古住宅を購入してリフォームする場合は?
A. 中古住宅の購入費用とリフォーム費用を合わせてローンを組んだ場合、合計額に対して住宅ローン控除を適用できる可能性があります。この場合の借入限度額は住宅の省エネ性能に応じて異なります。
Q. 補助金を受けた場合、控除額に影響しますか?
A. 補助金を受けた場合、工事費用から補助金額を差し引いた金額が控除の対象となります。例えば工事費200万円で補助金30万円を受けた場合、170万円が対象です。
Q. 住宅ローン控除と補助金は併用できますか?
A. 住宅ローン控除と補助金は併用可能です。ただし上記の通り、補助金分を差し引いた工事費用が控除対象となります。
Q. マンションのリフォームでも使えますか?
A. はい、マンションの専有部分のリフォームでも条件を満たせば住宅ローン控除を利用できます。ただし、共用部分の工事は対象外です。
まとめ
リフォームでも住宅ローン控除は利用できます。適用条件は「ローン返済期間10年以上」「工事費100万円以上」「床面積40平方メートル以上」などで、条件を満たせば10年間で最大140万円の控除を受けることが可能です。
住宅ローン控除を利用する場合は、初年度に確定申告が必要です。増改築等工事証明書の取得を忘れないようにしましょう。工事前にリフォーム会社に「住宅ローン控除の対象になる工事ですか?」と確認しておくとスムーズです。
なお、住宅ローン控除以外にもリフォームで使える減税制度があります。投資型減税や固定資産税の減額、贈与税の非課税制度なども条件次第で併用できるケースがあるため、総合的に検討してみてください。
減税制度の詳細については、国税庁のタックスアンサーやパナソニックのリフォーム減税解説ページもあわせて確認してみてください。


