リフォーム工事が完了したら、引き渡しの前に行うのが「完了検査(竣工検査)」だ。この検査は、契約通りに工事が行われているかを施主自身の目で確認する最後のチャンスであり、ここで見逃した不具合は後から指摘しにくくなる。
この記事では、リフォームの完了検査で施主がチェックすべきポイントを、場所別・項目別にまとめたチェックリスト形式で紹介していく。検査当日に持っていくべきものや、不具合が見つかった場合の対応方法も解説するので、引き渡し前にぜひ確認してほしい。

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完了検査(竣工検査)とは?
完了検査(竣工検査)とは、リフォーム工事が完了した時点で、施工会社と施主が一緒に現場を確認する最終検査のこと。「施主検査」とも呼ばれ、契約内容どおりに工事が行われたか、不具合がないかをチェックする。
この検査で問題がなければ「工事完了確認書」にサインし、正式に引き渡しとなる。一度サインしてしまうと「契約どおりに完成したことに合意した」とみなされるため、気になる点はサイン前に必ず指摘することが大切だ。
完了検査は業者から「〇日に検査をしましょう」と連絡が来るのが一般的だが、日程は施主の都合に合わせてもらえる。時間に余裕がある日を選び、明るい日中に実施するのがベストだ。薄暗い夕方だと傷や汚れが見えにくくなるので注意しよう。
検査当日に準備しておくもの
検査当日の持ち物リスト:
・契約書・見積書のコピー
・設計図面・仕上げ表
・メジャー(寸法の確認用)
・スマートフォン(写真・動画撮影用)
・付箋(気になる箇所にマーキング用)
・筆記用具とメモ帳
・懐中電灯(暗い場所の確認用)
・スリッパ
・水平器(100円ショップでも購入可。床や壁の傾き確認に便利)
・小さなボール(床の傾きを簡易的にチェックできる)
検査には最低でも1~2時間は見ておこう。急いで確認すると見落としが出やすいため、時間に余裕を持ったスケジュールを組んでおくことが大切だ。可能であれば家族と一緒に参加して、複数の目でチェックするとより安心だ。
持ち物の中でも水平器は、床や棚の傾きを「なんとなく気になる」で終わらせず、数字と気泡で示せるのが強みだ。手のひらサイズのものなら持ち運びも苦にならない。
チェックリスト:全体の確認事項
図面との整合チェック
- 間取りが図面どおりになっているか
- 壁・柱の位置は設計どおりか
- 窓・ドアの位置とサイズは合っているか
- コンセント・スイッチの位置と数は図面どおりか
- 収納の位置・サイズは設計どおりか
仕上げ材の確認
- 壁紙の色・柄は指定したものか
- 床材は指定した素材・色か
- タイルや石材は指定したものが使われているか
- 仕上げ表に記載された型番・品番と一致しているか
- 塗装色は見本と同じか(照明の明るさで色味が変わることがあるので注意)
チェックリスト:内装の確認
壁・天井
- 壁紙のシワ・剥がれ・浮きはないか
- 壁紙のつなぎ目(ジョイント)が目立っていないか
- 壁と天井の角の仕上げはきれいか
- 釘やビスの跡が見えていないか
- 汚れや傷がないか
- 壁紙と窓枠・ドア枠の境目の処理は丁寧か
床
- フローリングにきしみや床鳴りはないか(部屋全体を歩き回って確認)
- 床の傷・汚れ・色ムラはないか
- 巾木(はばき)の取り付けはしっかりしているか
- 段差がある場合、つまずきの危険はないか
- 床の水平は保たれているか(ボールやビー玉を置いてみる)
建具(ドア・窓)
- ドアの開閉はスムーズか(すべて開け閉めしてみる)
- 窓の開閉・施錠は問題ないか
- ドアノブ・取っ手のガタつきはないか
- 隙間風が入ってこないか
- 鍵は正常に施錠・解錠できるか
- 網戸のスライドはスムーズか

チェックリスト:水回りの確認
キッチン
- 蛇口からの水・お湯の出具合は正常か
- 排水はスムーズに流れるか
- 水漏れはないか(シンク下を確認)
- コンロ(IH・ガス)は正常に点火・加熱するか
- 換気扇・レンジフードは動作するか
- 食洗機がある場合は動作確認
- 引き出し・扉の開閉はスムーズか
- カウンターの高さは適切か(実際に立ってみて確認)
浴室
- シャワー・カランの水量と温度調節は問題ないか
- 排水の流れは良好か
- 浴室乾燥機や換気扇は正常に動作するか
- ドアの開閉はスムーズか
- タイルや壁面にひび割れ・欠けはないか
- 鏡・タオル掛け・棚の取り付けはしっかりしているか
- 追い焚き機能は正常か
トイレ
- 便器の流水は正常か
- 温水洗浄便座の機能は正常に動作するか
- 水漏れはないか
- 換気扇は動作するか
- ペーパーホルダーやタオル掛けの取り付けは問題ないか
洗面所
- 蛇口の水・お湯の出具合は正常か
- 排水はスムーズか
- 鏡の取り付けは問題ないか
- 収納の開閉はスムーズか
- コンセントの位置と数は適切か(ドライヤーや電動歯ブラシ用)
チェックリスト:電気設備の確認
- すべてのコンセントが通電しているか(スマホの充電器を持っていくと確認しやすい)
- すべての照明が点灯するか
- スイッチと照明の対応は正しいか
- エアコンは正常に動作するか(冷暖房の切り替え確認)
- インターホンは動作するか
- 分電盤の表示は正しいか
- アース付きコンセントの確認(洗濯機・食洗機・電子レンジ用)
- テレビアンテナの接続は問題ないか
コンセントの数が多い家では、充電器を挿して回るより、差し込むだけで配線の状態がランプでわかるチェッカーを使ったほうが早い。極性やアースの接続ミスにも気づける。
チェックリスト:外装の確認(外壁・屋根工事の場合)
- 塗装のムラや垂れはないか
- 塗り残しはないか
- コーキング(シーリング)の処理は丁寧か
- 外壁のひび割れや欠けはないか
- 雨樋(あまどい)の取り付けは正常か
- 足場の撤去後に外壁に傷がついていないか
不具合が見つかったときの対応
その場で記録する
不具合を見つけたら、写真を撮り、付箋を貼り、メモに記録する。口頭だけで伝えると「聞いていない」と言われかねないので、書面や写真で証拠を残すのが鉄則だ。写真を撮る際は、全体像と不具合箇所のアップの両方を撮影しておくとわかりやすい。
付箋は、壁紙やクロスに貼ってもはがれにくい強粘着タイプが向いている。検査が長引いても落ちにくく、業者と一緒に回るときの目印としても使いやすい。
修繕の期日と方法を確認する
不具合の修繕をいつまでに、どのように行うのかを業者と合意し、書面に残す。修繕が完了するまでは「工事完了確認書」にサインしないのが基本だ。軽微な手直し程度であれば「○月○日までに修繕する」という条件付きでサインするケースもあるが、その場合も必ず書面に記載してもらおう。
納得するまでサインしない
業者から「小さなことなので後から直します」と言われても、書面に修繕内容と期日を記載してもらうまではサインしないほうが安全だ。口約束だけだと、後から「言った言わない」のトラブルになりかねない。

完了検査に関するよくある質問(Q&A)
Q. 検査に専門家を同行させることはできる?
住宅診断(ホームインスペクション)の専門家に同行を依頼することも可能だ。費用はかかるが、専門的な視点でチェックしてもらえるのでより安心だ。大規模なリフォームや構造に関わる工事の場合は、第三者の目を入れることも検討しよう。
Q. 検査で見つけた不具合の修繕費用は施主負担?
契約内容どおりに施工されていない不具合であれば、修繕費用はリフォーム会社の負担だ。ただし、施主の都合で追加・変更した箇所は別途費用がかかる場合がある。「工事前になかった傷」なのか「もともとあった傷」なのかの判断が難しいこともあるので、工事前の状態を写真に記録しておくことをおすすめする。
Q. 引き渡し後に不具合が見つかった場合は?
引き渡し後でも保証期間内であれば修繕を依頼できる。不具合を見つけたらすぐに写真を撮り、リフォーム会社に連絡しよう。早期に連絡するほど対応がスムーズだ。
Q. 完了検査は1回で終わるの?
不具合があって修繕が行われた場合は、修繕後に再検査(手直し確認)を行う。修繕が完了したことを確認してからサインするのが安全だ。
Q. 検査は何人で行くのがベスト?
施主1人でも問題ないが、家族2~3人で参加するのが理想的だ。複数の目で見ることで見落としが減るし、「この高さで使いやすいか」など体格の違いによる感じ方の差もわかる。実際に住む家族全員で確認できるとベストだ。
Q. 工事前の写真を撮っておくべき?
ぜひ撮っておこう。工事前の状態を写真に残しておくと、「この傷は工事前からあったのか、工事中についたのか」という判断がしやすくなる。特に共用部分(マンションの廊下・エレベーターなど)は、工事による傷を主張する際の証拠になる。
検査後のフォローアップ
完了検査が終わって引き渡しを受けた後も、以下の点を意識しておこう。
初期不良に注意する期間
引き渡しから1~3か月は「初期不良」が見つかりやすい時期だ。実際に住んでみて初めてわかる不具合(床鳴り、結露、ドアの建て付け不良など)もあるため、気になることがあればすぐにリフォーム会社に連絡しよう。初期不良は保証期間内であれば無償で対応してもらえるのが一般的だ。
定期点検を活用する
リフォーム会社が定期点検を実施してくれる場合は、積極的に活用しよう。点検のタイミングで気になる箇所を一緒に確認してもらえるので、小さな不具合の早期発見・早期対応につながる。点検日の前に気になる箇所をリストアップしておくと効率的だ。
まとめ
リフォームの完了検査は、施主にとって「仕上がりを確認できる最後のチャンス」だ。図面との整合・内装の仕上がり・水回りの動作・電気設備の通電など、チェックすべき項目は多いが、一つひとつ丁寧に確認すれば見落としを防げる。
不具合があれば写真と書面で記録し、修繕が完了するまでサインは保留する。この姿勢が、後悔のないリフォームにつながる。
アフターサービスの比較方法は「リフォーム業者の選び方|失敗しないための重要ポイントを徹底解説」を、契約時の注意点は「リフォーム契約の注意点|チェックすべきポイントを完全解説」を参考にしてほしい。
参考:リショップナビ|竣工検査のチェック項目|さくら事務所|施主検査のチェックリスト|価格.com|竣工検査のチェックポイント


