リフォーム工事で避けて通れないのが「騒音」の問題だ。壁の解体、床の撤去、電動工具の使用など、リフォーム工事ではどうしても大きな音が発生する。特にマンションでは上下左右の住戸に音が伝わりやすく、近隣トラブルに発展するケースも少なくない。
この記事では、リフォーム工事の騒音対策と近隣トラブルを防ぐための具体的な方法を解説する。工事前の挨拶の仕方から、工事中の配慮、万が一クレームが入ったときの対応まで、しっかりカバーしていこう。

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リフォーム工事で発生する騒音の種類と大きさ
まず、リフォーム工事でどのくらいの騒音が発生するのかを知っておこう。
騒音が大きい作業
- 壁・床・タイルの解体作業(ハンマーやはつり機使用):80~100dB
- コンクリートの削り作業:90~100dB
- 電動丸ノコ・ドリルの使用:85~95dB
- 大型設備の搬入・搬出作業:70~80dB
参考として、80dBは「地下鉄の車内」、90dBは「カラオケ店内」、100dBは「電車のガード下」に相当する音の大きさだ。日常的な会話が60dB程度なので、リフォーム工事の騒音がいかに大きいかがわかるだろう。解体作業中は隣の部屋にいても会話が困難なレベルの音になることがある。
「どのくらいうるさいのか」を数字で把握しておきたい場合は、手のひらサイズの騒音計で実測しておくという方法もある。近隣から指摘を受けたときに、状況を説明する材料にもなる。
騒音が比較的小さい作業
- クロス(壁紙)の張替え:30~50dB
- 塗装作業:30~50dB
- 養生・片付け作業:40~60dB
- 設備機器の設置・接続:50~70dB
- 仕上げ・清掃作業:30~50dB
工事全体を通して常に大きな音が出ているわけではなく、解体作業の日が最も騒音が激しいのが一般的だ。業者にどの日に大きな音が出るのかを事前に確認しておくと、近隣への周知もしやすくなる。
工事期間中の騒音スケジュールの目安
一般的なリフォーム工事の場合、以下のような流れで騒音の度合いが変わる。
・工事序盤(解体・撤去):騒音が最も大きい
・工事中盤(下地処理・配管・配線):やや大きい
・工事終盤(仕上げ・設備設置・清掃):比較的静か
近隣トラブルを防ぐための事前対策
1. 工事前の挨拶を必ず行う
近隣への事前挨拶は、トラブル防止のために最も重要な対策だ。挨拶のタイミングは工事開始の1~2週間前が理想で、遅くとも1週間前までには済ませたい。
挨拶で伝えるべき内容:
・工事の開始日と終了予定日
・工事の時間帯(例:平日9時~17時)
・工事の内容(どんな工事をするか簡潔に)
・騒音が特に大きくなる日の目安
・リフォーム会社の名前と連絡先
・施主の連絡先
挨拶の際には粗品(タオルや洗剤、菓子折りなど500~1,000円程度のもの)を持参するのがマナーだ。留守の場合は、工事のお知らせを記載した手紙をポストに入れておこう。手紙には丁寧な言葉遣いで、工事で迷惑をかけることへのお詫びを書いておくとよい。
2. 挨拶する範囲
戸建ての場合は「向こう三軒両隣」と裏の家が基本。道路を挟んだ向かいの家にも挨拶しておくと、より丁寧だ。マンションの場合は両隣と上下の住戸に加え、斜め上下の住戸にも挨拶しておくとベターだ。音や振動は思った以上に離れた場所にも伝わることがある。同じフロアの全住戸に挨拶するのが理想的だ。
3. 業者と施主の両方で挨拶する
リフォーム業者が挨拶してくれるケースも多いが、施主自身も一緒に挨拶に回ることが大切だ。「業者に任せてある」という態度は、近隣から「当事者意識がない」と受け取られかねない。業者と施主がそろって挨拶に行くことで、誠意が伝わりやすくなる。名刺代わりに連絡先を書いたメモを渡しておくと、何か困ったときに連絡してもらいやすい。
4. テレワーク世帯への配慮
近年はテレワークの普及により、平日の日中でも自宅で仕事をしている方が増えている。工事の騒音に対する感度は以前より高まっているため、「日中だから大丈夫」という考えは通用しなくなってきている。挨拶の際に「日中ご在宅ですか?」と聞いておくと、特に配慮すべき世帯がわかる。

工事中の騒音対策
防音シートの設置
業者に防音シート(遮音シート)で工事箇所を養生してもらうことで、周囲への騒音を軽減できる。外壁工事の場合は、足場に防音パネルを設置する方法もある。マンションの場合は、床への防振マットの敷設や、壁面への遮音材の設置も効果的だ。
工事後も洗濯機や室外機の振動が気になる場所には、防振マットを敷いたままにしておく人もいる。
工事時間のルールを守る
一般的に、リフォーム工事は平日の午前9時~午後5時の間に行うのが基本だ。早朝や夜間の作業は避け、昼休み(12時~13時)は音の出る作業を控えるのがマナーとなっている。マンションの場合は管理規約で工事時間が定められていることが多いので、必ず確認しておこう。管理規約に「平日10時~16時」などの制限がある場合もある。
騒音が大きい日を事前に知らせる
解体作業など特に騒音が大きくなる日がわかっている場合は、近隣に事前にお知らせしておくと親切だ。「明日は大きな音が出ます、ご迷惑をおかけします」と一言伝えるだけで、印象はかなり変わる。工事の進捗に応じて「残り○日で終わります」と中間報告するのも好印象だ。
騒音が出やすい作業の集中化
解体作業など騒音が大きい工程をまとめて数日間で集中的に行い、その後は静かな仕上げ作業に移るという工程管理を業者にお願いしてみよう。「毎日少しずつ解体する」よりも、「初日に一気に解体する」ほうが近隣の負担感は軽くなる。
マンション特有の騒音対策
マンションでは戸建て以上に騒音対策が重要だ。
- コンクリートは音を増幅させて伝えるため、振動が上下左右に広がりやすい
- 管理規約で「工事は平日のみ」「○時~○時まで」と定められていることが多い
- 搬入時にエレベーターや共用部分を長時間占有すると、それ自体が不満の原因になる
- 管理組合への届出や承認が必要な場合がある
- 工事車両の駐車場所についても事前に確認が必要
マンションでは管理組合に工事申請を行い、承認を得てから着工する流れが一般的だ。承認に1~2か月かかるマンションもあるので、スケジュールに余裕を持って計画しよう。
万が一クレームが入ったときの対応
事前に挨拶していても、クレームが入る可能性はゼロではない。クレームが来た場合の対応を知っておこう。
まず誠実に謝罪する
クレームが来たら、まず「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と誠実に謝罪することが第一だ。理由や事情を説明する前に、まず相手の不満を受け止めよう。言い訳から入ると火に油を注ぐ結果になりかねない。
リフォーム業者に共有する
クレームの内容をすぐにリフォーム業者に伝え、対策を相談しよう。工事時間の調整や防音対策の追加など、業者側でできる対策を検討してもらえる。業者の担当者に直接謝罪に行ってもらうのも効果的だ。
マンションの場合は管理組合に相談
マンションでクレームが入った場合は、管理組合や管理会社を通して対応するのが一般的だ。当事者同士で直接やり取りするとこじれやすいため、第三者を介したほうがスムーズに解決できることが多い。
工事内容の見直しも検討する
クレームの内容によっては、工事の進め方を見直すことも検討しよう。「騒音の出る作業を午前中に集中させる」「特に配慮が必要な日は作業を休む」など、柔軟に対応する姿勢を見せることで、関係の修復につながる。
騒音対策に関するよくある質問(Q&A)
Q. 工事期間が延びた場合、近隣に改めて挨拶すべき?
工事期間が当初の予定より延びる場合は、改めて近隣に説明して謝罪するのがマナーだ。「工事が○日延びます。ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と伝えるだけで印象は大きく違う。
Q. 挨拶で持っていく粗品は何がいい?
タオルや洗剤、ラップなどの日用品や、菓子折りが無難だ。金額は500~1,000円程度で十分。のし紙に「ご挨拶」と書いて渡すのが一般的だ。相手の好みがわからない場合は、誰でも使える実用品がおすすめだ。
のし紙をかけた状態で届く挨拶用のタオルギフトなら、軒数分をまとめて用意できる。工事完了後のお礼まで見込んで、少し多めに買っておくと足りなくなりにくい。
Q. 近隣が不在で挨拶できない場合はどうする?
工事のお知らせを記載した手紙と粗品をポストに入れておこう。手紙には工事の概要、期間、連絡先を記載しておくと丁寧だ。後日会えたときに改めて直接ご挨拶するとより好印象だ。
Q. 騒音が原因で損害賠償を請求されることはある?
通常のリフォーム工事で、適切な時間帯・方法で行っている場合は、騒音のみを理由とした損害賠償が認められることは稀だ。ただし、極端な時間帯での作業や管理規約違反がある場合は責任を問われる可能性がある。トラブルを避けるためにも、ルールを守った工事を心がけよう。
Q. 工事完了後に近隣にお礼の挨拶はすべき?
工事が完了したら、近隣に「工事が終わりました。ご迷惑をおかけしました」とお礼の挨拶をしておくと好印象だ。工事中に特に迷惑をかけた方には、改めて粗品を持参するとより丁寧だ。今後のご近所づきあいを円滑にするためにも、最後のひと手間は惜しまないようにしよう。
まとめ
リフォーム工事の騒音は完全になくすことは難しいが、事前の挨拶・防音対策・工事時間の管理・こまめな声掛けによって、近隣トラブルのリスクを大幅に減らすことができる。特に「事前挨拶」はトラブル防止の基本中の基本なので、面倒がらずに丁寧に行おう。
近隣への挨拶の具体的な方法は「リフォーム工事の近所への挨拶方法|タイミング・手土産・範囲を徹底解説」で詳しく解説している。リフォーム工事の期間目安は「リフォーム工事の期間目安|場所別の日数と工期を短くするコツ」を参考にしてほしい。
参考:山根木材|マンションリフォームの騒音トラブルとは?|SHUKEN Re|マンションリノベーションの騒音トラブル対策|リノバース|リフォームの音がうるさいとクレームを受けないために


