給湯器の交換を考えたとき、「ガスと電気、どっちがいいの?」と悩む方はとても多いです。毎日使うものだからこそ、初期費用だけでなくランニングコストや使い勝手まで総合的に判断することが大切になります。
この記事では、ガス給湯器(従来型・エコジョーズ)と電気ヒートポンプ給湯器(エコキュート)の違いを、費用・光熱費・設置条件・メリットとデメリットの4つの軸で徹底的に比較していきます。ご自宅の環境に合った給湯器選びの参考にしてください。

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ガス給湯器と電気ヒートポンプ給湯器(エコキュート)の基本的な違い
まずは、それぞれの給湯器がどういう仕組みでお湯を作っているのかを押さえておきましょう。仕組みの違いが、費用や使い勝手の差に直結しています。
ガス給湯器の仕組み
ガス給湯器は、都市ガスやLPガスを燃焼させ、その熱で直接水を温める方式です。蛇口をひねると瞬間的にお湯が出る「瞬間式」が主流で、必要なときに必要な分だけお湯を沸かします。タンクを持たないため、設置スペースがコンパクトで済むのが特徴です。
省エネタイプの「エコジョーズ」は、従来捨てていた排熱を再利用して熱効率を約95%まで高めた機種です。従来型と比べてガス使用量を約15%削減できます。
電気ヒートポンプ給湯器(エコキュート)の仕組み
エコキュートは、空気中の熱をヒートポンプ技術で集めてお湯を沸かす方式です。電気だけで加熱する電気温水器と異なり、空気の熱エネルギーを利用するため、投入した電気エネルギーの約3倍の熱エネルギーを得られるのが大きな特徴です。
主に電気代が安い深夜帯にお湯を沸かしてタンクに貯めておき、日中はその貯湯を使う仕組みになっています。そのため、370L〜460L程度の貯湯タンクとヒートポンプユニットの2つが必要で、設置にはある程度のスペースが求められます。
いずれのタイプも本体は屋外に置くことになるため、寒い地域では配管の凍結対策が欠かせません。むき出しの配管に保温材を巻いておくのは、既存の給湯器を使っている段階でもできる備えです。
初期費用(本体価格+工事費)の比較
給湯器選びで最初に気になるのが初期費用です。本体価格と工事費を合わせた目安を見ていきましょう。
| 種類 | 本体+工事費の目安 |
|---|---|
| 従来型ガス給湯器 | 10万〜20万円 |
| エコジョーズ | 15万〜25万円 |
| エコキュート | 30万〜60万円 |
初期費用だけを比べると、ガス給湯器のほうが大幅に安いことがわかります。エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクの両方が必要なため、どうしてもコストが高くなります。
ただし、給湯省エネ2026事業(経済産業省)を活用すれば、エコキュートは1台あたり基本7万円(性能加算で最大10万円、さらに電気温水器や電気蓄熱暖房機の撤去加算を含めると最大14万円)の補助金を受けられます。ハイブリッド給湯器なら基本10万円、エネファームなら基本17万円の補助もあります。補助金を差し引いた実質負担額で比較することが大切です。

年間光熱費(ランニングコスト)の比較
給湯にかかる光熱費は、家庭の全エネルギー消費量の約3割を占めるといわれています。長期的に見ると、ランニングコストの差が初期費用の差を逆転させることも珍しくありません。
機器を入れ替えなくても、使うお湯の量そのものを減らせば給湯費は下がります。手元で止水できる節水タイプのシャワーヘッドは、工具なしで付け替えられる製品が多く、交換までのつなぎとして取り入れる方もいます。
一般的な3〜4人家族の場合の年間給湯費用の目安
| 種類 | 年間光熱費の目安 |
|---|---|
| 従来型ガス給湯器(都市ガス) | 約7万〜8万円 |
| エコジョーズ(都市ガス) | 約5万〜6万円 |
| 従来型ガス給湯器(LPガス) | 約10万〜13万円 |
| エコジョーズ(LPガス) | 約8万〜10万円 |
| エコキュート | 約2万〜3万円 |
エコキュートの年間光熱費はガス給湯器の3分の1〜5分の1程度になるケースが多いです。特にLPガスを利用している地域では、ガス単価が都市ガスより高い傾向があるため、エコキュートへの切り替えによるコストメリットがさらに大きくなります。
なお、上記の金額はあくまで目安であり、家族の人数・お湯の使用量・電力会社の料金プラン・ガス会社の料金体系によって変動します。最新の料金は各社の公式サイトでご確認ください。
10年・15年のトータルコストで比較
給湯器の寿命は一般的に10〜15年程度です。初期費用とランニングコストを合算したトータルコストで比較してみましょう。
都市ガスエリアの場合(エコジョーズ vs エコキュート)
エコジョーズの初期費用を20万円、年間光熱費を5.5万円とすると、10年間のトータルコストは約75万円になります。一方、エコキュートの初期費用を45万円(補助金7万円適用後38万円)、年間光熱費を2.5万円とすると、10年間のトータルコストは約63万円です。
都市ガスエリアでも10年使えばエコキュートのほうがお得になる計算ですが、差額は大きくありません。15年で見るとさらに差が広がります。
LPガスエリアの場合(エコジョーズ vs エコキュート)
LPガス地域ではガス単価が高いため、年間光熱費の差が大きくなります。エコジョーズの年間光熱費が約9万円の場合、10年間のトータルコストは約110万円になります。エコキュートであれば約63万円となり、10年間で約47万円もの差が生まれる計算です。

メリット・デメリットを比較
ガス給湯器(エコジョーズ含む)のメリット
- 初期費用が安い
- 設置スペースが小さくて済む
- 瞬間式なので湯切れの心配がない
- 水圧が高く、シャワーの勢いが良い
- 既存のガス配管がそのまま使えるため工事がシンプル
ガス給湯器(エコジョーズ含む)のデメリット
- ランニングコストがエコキュートより高い
- ガスを燃焼するためCO2排出量が多い
- LPガス地域では光熱費がさらに高くなる
エコキュートのメリット
- ランニングコストが大幅に安い
- CO2排出量が少なく環境に優しい
- 補助金制度を活用できる
- 太陽光発電との相性が良い(余剰電力で湯沸かし可能)
- 災害時にタンクの水を非常用水として使える
エコキュートのデメリット
- 初期費用が高い
- 貯湯タンクとヒートポンプユニットの設置スペースが必要
- 湯切れのリスクがある(使いすぎた場合)
- 深夜の稼働音が気になる場合がある
- 入浴剤の種類に制限がある機種もある
湯切れや沸かし直しが気になる方は、浴槽のお湯が冷めるスピードを抑える工夫も併せて考えておくと安心です。湯面に浮かべるアルミの保温シートは、家族の入浴時間がバラバラな家庭で使われています。
ガス給湯器とエコキュートのどちらを選ぶべき?判断基準
最終的にどちらを選ぶかは、お住まいの環境やライフスタイルによって異なります。以下の判断基準を参考にしてください。
エコキュートがおすすめのケース
- LPガス地域に住んでいる方(光熱費削減効果が大きい)
- 太陽光発電を設置済み、または検討中の方
- 屋外に設置スペースが確保できる方
- 10年以上住み続ける予定の方
- オール電化を検討中の方
ガス給湯器(エコジョーズ)がおすすめのケース
- 都市ガスエリアにお住まいで初期費用を抑えたい方
- 設置スペースに余裕がない方(マンションなど)
- お湯をたくさん使う大家族の方(湯切れが心配な場合)
- 現在のガス給湯器からの交換で手軽に済ませたい方

ハイブリッド給湯器という選択肢もある
ガスとヒートポンプの両方を搭載した「ハイブリッド給湯器」という選択肢もあります。普段はヒートポンプで効率よくお湯を沸かし、大量にお湯を使うときはガスで瞬間的に加熱するため、湯切れの心配がありません。
初期費用はエコキュートと同程度かやや高めですが、給湯省エネ2026事業では1台あたり10万円の補助金が受けられます。設置スペースもエコキュートよりコンパクトな機種が多いため、「両方のいいとこ取りをしたい」という方には検討の価値があります。
給湯器の交換で使える補助金制度
給湯器の交換時に活用できる主な補助金制度を紹介します。最新の情報は各制度の公式サイトでご確認ください。
給湯省エネ2026事業
経済産業省が実施する補助金制度で、高効率給湯器の導入を支援しています。補助額は以下の通りです。
- エコキュート:基本7万円/台(性能加算+3万円、撤去加算は電気温水器2万円・電気蓄熱暖房機4万円で最大14万円)
- ハイブリッド給湯器:基本10万円/台
- エネファーム:基本17万円/台
登録事業者を通じた施工が条件となっているため、補助金を利用したい場合はリフォーム業者に事前に相談しましょう。
自治体独自の補助金
お住まいの自治体で独自の補助金制度を設けている場合もあります。国の補助金と併用できるケースもあるため、自治体の窓口やホームページで確認してみてください。
よくある質問(Q&A)
Q. エコキュートの電気代は月々いくらくらい?
一般的な3〜4人家族の場合、月々の電気代は約1,500〜2,500円程度が目安です。深夜の割安な電気料金を利用して沸かすため、日中に比べて大幅にコストを抑えられます。
Q. エコキュートで湯切れしたらどうなる?
タンク内のお湯を使い切ると、一時的にお湯が出なくなります。ただし、多くの機種には自動で沸き増しする機能が付いており、約1〜2時間でお湯が使えるようになります。家族が多い場合は460Lタイプなど大容量モデルを選ぶと安心です。
Q. マンションでもエコキュートは設置できる?
マンションの場合、共用部分の制約や管理規約によって設置が難しいケースがあります。ベランダや共用廊下に設置スペースが確保でき、管理組合の許可が得られれば可能な場合もありますが、事前の確認が欠かせません。
まとめ
ガス給湯器とエコキュートは、それぞれに明確なメリット・デメリットがあります。初期費用を抑えたい方やスペースに制約がある方にはガス給湯器(エコジョーズ)が向いていますし、長期的な光熱費削減や環境配慮を重視する方にはエコキュートがおすすめです。
特にLPガスエリアにお住まいの方は、エコキュートへの切り替えで年間5万円以上の光熱費を節約できる可能性があります。補助金制度も積極的に活用して、お得に交換しましょう。
給湯器の選び方や交換費用について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:給湯器交換の費用相場|種類別・設置タイプ別にわかりやすく解説
関連記事:給湯器の交換時期はいつ?寿命のサインと適切なタイミングを解説
外部参考:パナソニック エコキュート公式サイト
外部参考:リンナイ 給湯器製品情報
外部参考:経済産業省 資源エネルギー庁


